多面体の中で三角形の高次元版である単体は, Poincaré がホモロジーの定義を行なうために導入した simplicial
complex の基礎となるものであるが, 他の多面体もトポロジーと関係がある。 また, 組み合せ論の重要な研究対象である。 頂点, 辺,
面などといったデータを「組み合せ」て得られるからである。
数学以外, 例えば, 物理学や化学と多面体との関わりについては, Atiyah と Sutcliffe が [AS03] という解説を書いている。
最近のものでは, Kapranov, Kontsevich, Soibelman の [KKS16] が興味深い。Gaiotto, Moore,
Witten の巨大な論文 [GMW] で平面グラフ (web) を用いて定義された代数的構造 (\(A_{\infty }\)-algebra) を secondary
polytope を用いて一般化 (高次元化) している。彼等のアプローチにより, 自然に extended TQFT で出てくると言っている。
多面体の中でも重要なのが凸多面体 (convex polytope もしくは polytope) である。その中で,
普通の人が多面体と言う言葉を聴いて思い浮べるのは, 正多面体 (regular polytope) だろうが。
Schulte と Weiss の [SW06] に多面体に関連した問題が集められている。
凸多面体と affine map のなす圏の構造を調べることも行なわれている。
より古くは, 凸多面体全体から圏ではなく群や環を作ることが考えられてきた。 一つは, scissors congruence group であり,
関連したものとして McMullen [McM89] による polytope algebra がある。
McMullen の polytope algebra では, 加法 (減法) は, 切り貼りの関係で与えられるが, 積は Minkowski 和
である。
一方, Minkowski 和を加法として可換 monoidを作り, その Grothendieck group として
Abel群を定義することもできる。その元を virtual polytope という。
Virtual polytope 以外にも凸多面体の概念は様々な形に一般化されている。
References
-
[AS03]
-
Michael Atiyah
and Paul Sutcliffe. “Polyhedra in physics, chemistry and geometry”.
In: Milan J. Math. 71 (2003), pp. 33–58. arXiv: math-ph/0303071.
url: http://dx.doi.org/10.1007/s00032-003-0014-1.
-
[GMW]
-
Davide Gaiotto, Gregory W. Moore, and Edward Witten. Algebra
of the Infrared: String Field Theoretic Structures in Massive \(\cN =(2,2)\) Field
Theory In Two Dimensions. arXiv: 1506.04087.
-
[KKS16]
-
M. Kapranov, M. Kontsevich, and
Y. Soibelman. “Algebra of the infrared and secondary polytopes”.
In: Adv. Math. 300 (2016), pp. 616–671. arXiv: 1408.2673. url:
https://doi.org/10.1016/j.aim.2016.03.028.
-
[McM89]
-
Peter McMullen. “The polytope algebra”. In: Adv. Math. 78.1 (1989),
pp. 76–130. url:
https://doi.org/10.1016/0001-8708(89)90029-7.
-
[SW06]
-
Egon Schulte and Asia Ivić Weiss.
“Problems on polytopes, their groups, and realizations”. In: Period.
Math. Hungar. 53.1-2 (2006), pp. 231–255. arXiv: math/0608397.
url: http://dx.doi.org/10.1007/s10998-006-0035-y.
|