CW Approximation

CW複体の構造を持つ空間は, ホモロジーを「生成元と関係式」で記述することができるので扱い易い。 そして, 任意の位相空間はCW複体と弱ホモトピー同値になるので, Whitehead の定理から, ホモロジーを考えるときにはCW複体の場合を考えれば十分である。

このCW複体を元の空間の CW approximation というが, その構成は, May の Concise Course [May99] の section 10.5, 10.6, 10.7 や Hatcher の本 [Hat02] の section 4.1 や tom Dieck の本 [Die08] の section 8.6 に書いてある。 ただし, Hatcher や tom Dieck のものは空間対の場合や triad の場合は書いていない。May の本には書いてある。

  • CW approximation of pairs
  • CW approximation of triads

これらの古典的な構成は, Quillen により model category の概念が導入される以前のものであり, up to homotopy でしか functorial ではない。一方, 位相空間の圏の Quillen による model structure では, 任意の空間は cofibrant object に functorial に弱ホモトピー同値になる。この cofibrant object は, CW複体に近い構造を持つが, CW複体とは限らない。ただ, その構成を少し修正すれば functorial CW approximation ができる。 これは, Hirschhorn が [Hir] で書いていることである。

現在では, この Hirschhorn の構成を使うのがよいだろう。 空間対の場合も書いてある。

References

[Die08]

Tammo tom Dieck. Algebraic topology. EMS Textbooks in Mathematics. European Mathematical Society (EMS), Zürich, 2008, pp. xii+567. isbn: 978-3-03719-048-7. url: http://dx.doi.org/10.4171/048.

[Hat02]

Allen Hatcher. Algebraic topology. Cambridge: Cambridge University Press, 2002, pp. xii+544. isbn: 0-521-79160-X; 0-521-79540-0.

[Hir]

Philip S. Hirschhorn. Functorial CW-approximation. arXiv: 1508.01944.

[May99]

J. P. May. A concise course in algebraic topology. Chicago Lectures in Mathematics. Chicago, IL: University of Chicago Press, 1999, pp. x+243. isbn: 0-226-51182-0.