Sullivan は, 最近では string topology の仕事が最も有名だろうか。もちろん, rational homotopy
theory の基礎を築いた人としても有名である。他にも様々なことをやっているので, Sullivan 予想と聞いただけでは,
何に関する予想か想像つかない人も多いかもしれない。
ここで言う Sullivan 予想は, 群の作用を持つ空間のホモトピー論に関することで, (locally) finite group \(G\) の 分類空間 \(BG\) から
有限CW複体 \(K\) への基点を保つ連続写像の成す空間 \(\mathrm{Map}_*(BG,X)\) が1点と弱ホモトピー同値である, という予想 [Sul05] だった。 Haynes Miller
[Mil84; Mil85] により, 1980年代前半に解決されている。
有限群の分類空間は, ホモトピー群が基本群までしかないが, ホモロジーは無限に高い次元まである。一方, 有限複体はホモロジーはある次元以上で消えているが,
ホモトピー群にはいくらでも高い次元に非自明な元がある。 このように有限群の分類空間と有限複体はホモトピー論的には正反対の性質を持つが,
このことを正確に表したのが Sullivan予想 (Millerの定理) と言えるだろう。
Miller の証明は, unstable Adams spectral sequence と呼ばれるホモトピー集合を計算するスペクトル系列を用いるものであるが,
その \(E^2\)-term は, Steenrod algebra 上の unstable algebra (unstable \(\mathcal{A}\)-algebra) の圏での \(\Ext \) になるので,
理解するのはかなり大変である。 つまり, Abel圏ではないところでホモロジー代数の真似事をしなければならないわけである。 幸い, Quillen
がそのような用途のために model category という枠組みを用意してくれているわけであるが, それを勉強するのにもかなりの労力を要する。
解説としては, Schwartz の本 [Sch94] がある。 Lurie による MIT での講義も ここで公開されている。
References
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[Mil84]
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Haynes Miller. “The Sullivan conjecture on maps from classifying
spaces”. In: Ann. of Math. (2) 120.1 (1984), pp. 39–87. url:
http://dx.doi.org/10.2307/2007071.
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[Mil85]
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Haynes Miller. “Correction to: “The Sullivan conjecture on maps
from classifying spaces” [Ann. of Math. (2) 120 (1984), no. 1,
39–87; MR0750716 (85i:55012)]”. In: Ann. of Math. (2) 121.3 (1985),
pp. 605–609. url: https://doi.org/10.2307/1971212.
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[Sch94]
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Lionel Schwartz. Unstable modules over the Steenrod algebra and
Sullivan’s fixed point set conjecture. Chicago Lectures in Mathematics.
Chicago, IL: University of Chicago Press, 1994, pp. x+229. isbn:
0-226-74202-4; 0-226-74203-2.
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[Sul05]
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Dennis P. Sullivan. Geometric topology: localization, periodicity and
Galois symmetry. Vol. 8. \(K\)-Monographs in Mathematics. The 1970
MIT notes, Edited and with a preface by Andrew Ranicki. Dordrecht:
Springer, 2005, pp. xiv+283. isbn: 978-1-4020-3511-1; 1-4020-3511-X.
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