ホモトピー集合は定義域が胞体の数が少ない CW複体の場合はホモトピー群と呼ばれる。ホモトピー群は, ホモロジー群と並んで代数的トポロジーの基本的な道
具であるが, 基本群以外, 初等的な教科書には扱われていな いことが多い。しかしながら Dold-Thomの定理によりホ
モロジー群がホモトピー群で表わされることから分るように, ホモトピー論の 視点からは, ホモトピー群 (ホモトピー集合)の方
が基本的な概念であるといえるだろう。
ホモトピー群のことが書いてある代数的トポロジーの教科書としては, やはり Whiteheadの本 [Whi78] を挙げるべきだろう。 そして
Gray の本 [Gra75] も。 日本語だと, 小松と中岡と菅原の本 [小中菅67] や西田の本 [西田吾85] がある。
これらの本のタイトルが“Homotopy Theory”となっていることからも分かるよ うに, 古典的なホモトピー論の主要な研究対象はホモトピー群,
特に 球面のホモトピー群である。 球面のホモトピー群については, Todaの本[Tod62] を挙げないわけにいかない。
コホモロジーを調べるときにコホモロジー作用素が有用なことから, ホモトピー群やホモトピー集合に対しホモトピー作用素の理論が考えられている。
ホモトピー群の一般化としては, まず各種ホモトピー集合があるが, 他にも様々 な変種が考えられている。
References
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[Gra75]
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Brayton Gray. Homotopy theory. An introduction to algebraic
topology, Pure and Applied Mathematics, Vol. 64. New York:
Academic Press [Harcourt Brace Jovanovich Publishers], 1975,
pp. xiii+368.
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[Tod62]
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Hirosi Toda. Composition methods in homotopy groups of spheres.
Annals of Mathematics Studies, No. 49. Princeton, N.J.: Princeton
University Press, 1962, pp. v+193.
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[Whi78]
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George W. Whitehead. Elements of homotopy theory. Vol. 61.
Graduate Texts in Mathematics. New York: Springer-Verlag, 1978,
p. xxi 744. isbn: 0-387-90336-4.
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[小中菅67]
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小松醇郎, 中岡稔, and 菅原正博. 位相幾何学 I. 東京: 岩波書店, 1967.
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[西田吾85]
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西田吾郎. ホモトピー論. Vol. 16. 共立講座現代の数学. 東京: 共立出版, 1985.
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