球面のホモトピー群は非常に複雑であるが, CW複体のホモトピー型, よって多様体など, 主要な空間をホモトピー論的に調べるときには,
基本的なデータになる。 定義は簡単であるが故に, 逆にどこから手をつけてよいのか分かりづらい。
まず安定ホモトピー群と非安定ホモトピー群があるが, 安定ホモトピー群の方が扱い易い。 調べ方も大きく異なる。
安定ホモトピー群と非安定ホモトピー群を繋ぐものとして, EHP sequence, そしてそれを spectral sequence とみなした
EHP spectral sequence がある。
球面のホモトピー群を完全に決定することが難しいことから, せめて大体どれくらいの大きさかを知りたくなるが, それについては,
非安定ホモトピー群で調べられているのが, いわゆる exponent の問題である。
これは, \(n\)次元球面の場合に, 全ての \(p\)-torsion を一様に \(p^{e}\) で消すような \(e\) を \(n\) の関数として求める, という問題であるが, \(n\to \infty \)
とすると \(e\to \infty \) であることが知られているので, 安定ホモトピー群では別の評価が必要になる。つまり, \(k\)次安定ホモトピー群 \(\pi _{k}(S)\) の大きさを \(k\)
の関数で上から評価したいが, それについては Burklund の [BS] が出た。その Appendix A で, Senger
との共著として非安定ホモトピー群の場合も考えている。 関連して, Boyde [Boy] が Goodwillie calculus の Taylor
tower のホモトピー群の評価を考えている。
References
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[Boy]
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Guy Boyde. Growth of homotopy groups of spheres via the
Goodwillie-EHP Sequence. arXiv: 2201.08100.
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[BS]
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Robert Burklund and Andrew Senger. How Big are the Stable Homotopy
Groups of Spheres? arXiv: 2203.00670.
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