集合 \(X\) の元と集合 \(Y\) の元の間の関係は, 部分集合 \(R\subset X\times Y\) として定義される。
\(X=Y\) のときの関係の代表的なものとして, 次の二つがある。
同値関係は, 同相やホモトピー同値など, 空間の分類をするときには, 当然必要になる。 弱ホモトピー同値のように,
同値関係ではない関係を同値関係に拡張する必要があるときもある。
順序は, まず, 半順序集合 (poset) として, 組み合せ論的構造を表すために必要になる。 単体的複体や 凸多面体の face poset
など。
もう一つの重要な順序の用途としては, 順序数 (ordinal) が挙げられる。
順序数や超限帰納法は, 現代ホモトピー論の基礎とも言うべき, model category の理論で必要になる。 集合の濃度 (cardinal)
も正確には順序数を用いて定義する。
異なる集合の間の関係として代表的なものは, 写像である。
関係 \(R\subset X\times Y\) から, simplicial complex を作ることもできる。 例えば, Dowker [Dow52] によるものがある。
他にも Brun と Salbu [BS23] が考えているものもある。 Dowker complex とホモトピー同値になるようであるが。
関係は, 直積の部分集合だから, より一般に直積を持つ圏で定義することができる。そのような一般的な場合では, 関係全体を bicategory
とみなすべきである。 それを抽象化したのが, Carboni と Walters [CW87] の bicategory of relations である。
Double category of relations を考えている人 [Lam22] もいる。
更に, 部分集合の成す poset を取ることを functor \[ \cP : \category {Set}^{\op } \rarrow {} \category {Poset} \] とみなすと, 関係をより一般の圏で定義することができる。 例えば, [Fre23]
など。
別の方向の一般化としては, Weaver [Wea12] による quantum relation もある。
References
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[BS23]
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Morten Brun and Lars M. Salbu. “The rectangle complex of a
relation”. In: Mediterr. J. Math. 20.1 (2023), Paper No. 7, 8. arXiv:
2207.02018. url: https://doi.org/10.1007/s00009-022-02213-0.
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[CW87]
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A. Carboni and R. F. C. Walters. “Cartesian bicategories. I”.
In: J. Pure Appl. Algebra 49.1-2 (1987), pp. 11–32. url:
http://dx.doi.org/10.1016/0022-4049(87)90121-6.
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[Dow52]
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C. H. Dowker. “Homology groups of relations”. In: Ann. of Math. (2)
56 (1952), pp. 84–95. url: https://doi.org/10.2307/1969768.
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[Fre23]
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Jonas
Frey. “Categories of partial equivalence relations as localizations”. In:
J. Pure Appl. Algebra 227.8 (2023), Paper No. 107115, 25. arXiv:
1912.06726. url: https://doi.org/10.1016/j.jpaa.2022.107115.
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[Lam22]
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Michael Lambert. “Double categories of relations”. In: Theory Appl.
Categ. 38 (2022), Paper No. 33, 1249–1283. arXiv: 2107.07621. url:
https://doi.org/10.1002/num.22822.
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[Wea12]
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Nik Weaver. “Quantum relations”. In: Mem. Amer. Math. Soc.
215.1010 (2012), pp. v–vi, 81–140. arXiv: 1005.0354. url:
http://www.ams.org/books/memo/1010/.
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