位相空間の分離公理の内, 位相空間論の授業で扱うものの中で重要なのは次の3つだろう。
- Hausdorff
- 正則 (regular)
- 正規 (normal)
最も弱い条件は \(T_{0}\) であるが, finite \(T_{0}\)-space は, 驚くことに, トポロジーの視点からも興味深い性質を持つ。
弱 Hausdorff というのは, 位相空間論の授業ではあまり扱わないと思うが, 代数的トポロジーでは有用な条件である。McCord [McC69]
により導入された。その論文によると, J.C. Moore の suggestion によるらしい。 コンパクト生成位相を考えるときに用いる。
- 弱 Hausdorff (weak Hausdorff)
Completely regular とは, 閉集合とその中にない\(1\)点が, 連続関数で分離できることで, regular と normal
の中間に位置する。 可換な \(C^*\)-algebra の圏と compact Hausdorff space の圏の間の Gel\('\)fand-Naimark
の双対性の証明に登場する。
基本的な性質としては以下のものが挙げられる。
- Hausdorff 空間の部分空間は Hausdorff
- Hausdorff 空間の retract は閉集合
- 正則空間の部分空間は正則
- 正規空間の部分空間は正規とは限らない
- 正規空間の閉部分空間は正規
被覆空間の理論では, 連結性や単連結性を局所的にした条件が必要になるが, Hausdorff 性についても修正する必要があるらしい。Fischer
らの [Fis+11] では, 次のようなものが使われている。
- homotopically Hausdorff
- strongly homotopically Hausdorff
- homotopically path-Hausdorff
References
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[Fis+11]
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Hanspeter Fischer, Dušan Repovš, Žiga Virk, and Andreas
Zastrow. “On semilocally simply connected spaces”. In: Topology
Appl. 158.3 (2011), pp. 397–408. arXiv: 1102 . 0993. url:
https://doi.org/10.1016/j.topol.2010.11.017.
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[McC69]
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M. C. McCord. “Classifying spaces and infinite symmetric products”.
In: Trans. Amer. Math. Soc. 146 (1969), pp. 273–298. url:
https://doi.org/10.2307/1995173.
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