古典的な(コ)ホモロジーに関してできれば知っていた方がいいこと

古典的な homology や cohomology について, 基本的な事柄は, 別のページにまとめた。 以下のことは, 必要になったときに勉強すればよいだろう。

  • 局所係数の(コ)ホモロジー。 より一般に層のコホモロジーtwisted cohomology
  • コホモロジーは sequencial homotopy colimit を limit に変換するとは限らない。つまり包含写像から誘導される写像 \[ H^*(\hocolim _{n\in \N } X_{n}) \longrightarrow \lim _{n\in \N } H^*(X_{n}) \] は全射ではあるが単射とは限らない。その kernel は \(\limitone H^*(X_{n})\) というものになる [Mil62]。 できた短完全列を Milnor の \(\limitone \) 完全列という。
  • コホモロジー作用素
  • Alexander の双対定理。つまり \(K\) を空でない \(S^n\) の閉部分集合で \(S^n\) 自身ではないものとする。\(K\) がそのある近傍の retract ならば \[ \widetilde{H}^{n-q}(K) \cong \widetilde{H}_{q-1}(S^n-K) \] という同型がある。
  • Poincaré duality などの双対性に関するいくつかの定理
  • Lefschetz の不動点定理
  • Cubical chain complex によるホモロジーとコホモロジーの定義
  • 可微分多様体de Rham コホモロジー

Cubical chain complex は, Serre による Serre スペクトル系列の構成で有効に使われた。 特に積を考えるときには, cubical chain の方が楽である。

可微分多様体の de Rham コホモロジーは, 特性類微分形式で表わしたりするときに必要になる。 Differential cohomology を定義するときにも必要になる

可微分多様体の \(\R \) 係数ホモロジーについては, de Rham の current を用いた記述がある。また Zinger が [Zin08] で pseudocycle という概念を用いて, 多様体の \(\Z \)係数ホモロジーと同型になる群を構成している。

References

[Mil62]

J. Milnor. “On axiomatic homology theory”. In: Pacific J. Math. 12 (1962), pp. 337–341.

[Zin08]

Aleksey Zinger. “Pseudocycles and integral homology”. In: Trans. Amer. Math. Soc. 360.5 (2008), pp. 2741–2765. arXiv: math/0605535. url: http://dx.doi.org/10.1090/S0002-9947-07-04440-6.