有限集合の部分集合族である性質を持つものを (combinatorial) design という。 正確には, \(n\) 元集合 \(X\) の \(q\) 元部分集合の成す集合 \(S\)
で, 任意の \(X\) の \(r\) 元部分集合は, ちょうど \(\lambda \) 個の \(S\) の元に含まれるもの, という条件である。 このような \(S\) をパラメータ \((n,q,r,\lambda )\) の design
という。
Malestein, Rivin, Theran [MRT14] は, Stinson の本 [Sti04] を参照している。
パラメータ \((n,q,r,1)\) の design には, Steiner system という名前が付いている。パラメータ \((n,q,r)\) の Steiner system
という。
パラメータ \((n,3,3)\) や \((n,4,3)\) の Steiner system は Steiner triple system や Steiner quadruple system
と呼ばれるようである。
パラメータ \((5,8,24)\) の Steiner system が Mathieu 群 \(M_{24}\) の構成に使えることを発見したのは, Curtis [Cur76] であるが,
任意の有限群が Steiner triple system の authomorphism group として表せることは, Mendelsohn
[Men78] により証明されている。その精密化が Doyen と Kantor [DK22] により考えられている。
Kalai の blog post によると, Steiner system や design の存在は, 組み合せ論の最も古く重要な問題の一つである。
その blog によると, 19世紀に Plücker や Kirkman や Steiner により, 提起されている。
Kalai の blog post では Keevash の結果 [Kee] が紹介されている。その論文は未だに preprint のようであるが,
正しい結果として認められているようである。 Steiner system や degin の存在問題の歴史については, Glock らの [Glo+23]
の §1.1 を見るとよい。この monograph も desgin の存在に関するものである。
有限体上のベクトル空間の部分ベクトル空間を考えることにより, \(q\)-analogue を考えることもできる。Etzion の [Etz]
など。
References
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[Cur76]
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R. T. Curtis. “A new combinatorial approach to \(M_{24}\)”. In: Math.
Proc. Cambridge Philos. Soc. 79.1 (1976), pp. 25–42. url:
https://doi.org/10.1017/S0305004100052075.
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[DK22]
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Jean Doyen and William M. Kantor. “Automorphism groups of
Steiner triple systems”. In: Algebr. Comb. 5.4 (2022), pp. 593–608.
arXiv: 1808.03615. url: https://doi.org/10.5802/alco.240.
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[Etz]
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Tuvi Etzion. Problems on q-Analogs in Coding Theory. arXiv: 1305.
6126.
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[Glo+23]
-
Stefan Glock, Daniela Kühn, Allan Lo, and Deryk Osthus. “The
existence of designs via iterative absorption: hypergraph \(F\)-designs for
arbitrary \(F\)”. In: Mem. Amer. Math. Soc. 284.1406 (2023), pp. v+131.
arXiv: 1611.06827. url: https://doi.org/10.1090/memo/1406.
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[Kee]
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Peter Keevash. The existence of designs. arXiv: 1401.3665.
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[Men78]
-
Eric Mendelsohn. “On the groups of automorphisms of Steiner triple
and quadruple systems”. In: J. Combin. Theory Ser. A 25.2 (1978),
pp. 97–104. url:
https://doi.org/10.1016/0097-3165(78)90072-9.
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[MRT14]
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Justin Malestein, Igor Rivin, and Louis Theran. “Topological
designs”. In: Geom. Dedicata 168 (2014), pp. 221–233. arXiv: 1008.
3710. url: http://dx.doi.org/10.1007/s10711-012-9827-9.
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[Sti04]
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Douglas R. Stinson. Combinatorial designs. Constructions and
analysis, With a foreword by Charles J. Colbourn. New York:
Springer-Verlag, 2004, pp. xvi+300. isbn: 0-387-95487-2.
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