Goodwillie は, 一連の論文 [Goo90; Goo92; Goo03] で位相空間の圏から位相空間の圏や spectrum の圏へ の
functor で, 弱同値を保つものを研究した。 そのようなものを homotopy functor という。
Goodwillie は, ある条件をみたす homotopy functor に対し, 関数の微積分の類似が行なえることを示したのである。 特に,
Taylor展開の類似である Taylor tower という fibration の tower を構成した。
Taylor 展開は, 関数の多項式による近似なので, Taylor tower は関手の「多項式関手」による近似のはずである。
では, その多項式関手とは何かであるが, 最初に考えたのは Eilenberg と Mac Lane [EM54] だろう。 彼等は,
Abelian category の間の (additve とは限らない) 関手に対し, その cross-effect (deviation) を定義し,
それが消えていることで多項式関手を定義した。
Goodwillie は, homotopy functor に対し, そのホモトピー論的類似を定義し, 同じく cross-effect と呼んでいるが,
Eilenberg と Mac Lane の論文は参考文献に挙げていない。知っていたとは思うが。
- cross-effect of homotopy functor
さて, より一般に, 位相空間の圏に似た性質を持つ model category の間の homotopy functor に対し,
関手の微積分を考えることができる。[Goo03] では, Grothendieck のように relative な場合, つまり fiberwise
な圏も考えている。 更にその後, 定義域の圏を幾何学的な情報を持った圏にした calculus も Weiss などによって考えられている。
関連した問題として, homotopy functor の分類がある。Goodwillie [Goo03] は, 位相空間の圏から位相空間あるいは,
spectrum の圏への linear functor は, あるspectrum \(E\) により, \(E\wedge (-)\) と表わされることを示した。これは Taylor tower
の記述の基礎になっている。
他に homotopy functor に関する研究としては, Arone と Ching の [AC15] がある。Chorny [Cho16]
によると, Dwyer と Rezk による未出版のものもあるらしい。
References
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[AC15]
-
Gregory Arone and Michael Ching. “A classification of Taylor towers
of functors of spaces and
spectra”. In: Adv. Math. 272 (2015), pp. 471–552. arXiv: 1209.5661.
url: https://doi.org/10.1016/j.aim.2014.12.007.
-
[Cho16]
-
Boris Chorny. “A classification of small homotopy functors from
spectra to spectra”. In: Fund. Math. 234.2 (2016), pp. 101–125. arXiv:
1303.7108. url: https://doi.org/10.4064/fm952-12-2015.
-
[EM54]
-
Samuel Eilenberg and Saunders Mac Lane. “On the groups \(H(\Pi ,n)\).
II. Methods of computation”. In: Ann. of Math. (2) 60 (1954),
pp. 49–139. url: https://doi.org/10.2307/1969702.
-
[Goo03]
-
Thomas G. Goodwillie. “Calculus. III.
Taylor series”. In: Geom. Topol. 7 (2003), 645–711 (electronic). url:
http://dx.doi.org/10.2140/gt.2003.7.645.
-
[Goo90]
-
Thomas G. Goodwillie. “Calculus. I. The first derivative of
pseudoisotopy theory”. In: \(K\)-Theory 4.1 (1990), pp. 1–27. url:
http://dx.doi.org/10.1007/BF00534191.
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[Goo92]
-
Thomas G. Goodwillie. “Calculus. II. Analytic functors”. In: \(K\)-Theory
5.4 (1991/92), pp. 295–332. url:
http://dx.doi.org/10.1007/BF00535644.
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