胞体分割と胞体複体の例

CW複体homology は, その胞体分割と深い関係にあるため, 重要な空間については, その胞体分割を知っておくと homology の生成元の意味がわかりやすくなる。

Lie 群, 中でも古典群については横田の本 [横田一71] に詳しい解説がある。

以上は具体的な胞体分割が構成できる例であるが, 空間の胞体分割, あるいは単体分割可能性については, 古くから調べられてきている。

例えば, 可微分多様体については, その上の Morse 関数を調べることにより胞体分割が得られる。横田の [横田一78] は, Lie 群の胞体分割を目標として Morse 理論について書かれたものである。

多様体ではない CW複体で, ホモトピー論によく登場するのは以下のものだろうか。

近年の combinatorial algebraic topology の発展により, 組み合せ論的な問題に起源を持つ simplicial complex や cell complex が数多く登場している。例えば graph の Hom complex など。

ただ, 組み合せ論に現われるのは, 球面の wedge にホモトピー同値であるものが多い。 この “mystery” については, MathOverflow で質問されている。

Björner の [Bjö11] で調べられているものは, 数論と関係しているものであり, 興味深い。

References

[Bjö11]

Anders Björner. “A cell complex in number theory”. In: Adv. in Appl. Math. 46.1-4 (2011), pp. 71–85. arXiv: 1101.5704. url: http://dx.doi.org/10.1016/j.aam.2010.09.007.

[横田一71]

横田一郎. 群と位相. 東京: 裳華房, 1971.

[横田一78]

横田一郎. 多様体とモース理論. 京都: 現代数学社, 1978.