Commutative Monoids

はAbel群の圏の monoid object であり, 可換環は commutative monoid object である。 この視点から, 可換環の代りに可換な monoid を用いた代数幾何学の類似が考えられる。 ただし, ideal などの類似を考えるためには \(0\) も必要である。 \(0\) を持つ可換 monoid は, Lorscheid と Ray の [LR] では, pointed monoid と呼ばれている。 Pointed commutative monoid と呼ぶべきだと思うが, 代数幾何学で可換環のことを単に環と呼ぶのと同じ感覚だろう。

  • pointed commutative monoid

Lorscheid の lecture note [Lor] の Chapter 3 に基本的なことがまとめられているので, まずはこれを読むのが良いと思う。 そこでは monoid with zero と呼ばれているが。

可換環のように, ideal や localization や tensor product が定義できる。 ただし, quotient を取るときの基本は, ideal ではなく congruence である。 Ideal で割るときは, ideal から congruence を作りそれで割る。

  • congruence

そして, prime spectrum の集合に Zariski 位相の類似を入れ, その上に pointed commutative monoid に値を持つ層を定義できる。 このようにしてできる affine monoid scheme を貼り合せて monoid scheme が得られる。

  • monoid scheme

Lorscheid と Ray [LR] によると, monoid scheme は, ほとんど全ての \(\F _{1}\)-geometry に特別な場合として登場するものなので, \(\F _{1}\)-geometry の枠組みを構築しようとしたときには, 必ず含んでいないといけないもののようである。

Commutative monoid は, Fontaine-Illusie-Kato の log geometry (logarithmic algebraic geometry) [Kat89] でも使われる。なので, Gillam の [Gil09] や Ogus の [Ogu18] など, log geometry の解説でも, 準備として述べられている。

  • log geometry

References

[Gil09]

W.D. Gillam. Log geometry. 2009. url: http://www.math.boun.edu.tr/instructors/wdgillam/loggeometry.pdf.

[Kat89]

Kazuya Kato. “Logarithmic structures of Fontaine-Illusie”. In: Algebraic analysis, geometry, and number theory (Baltimore, MD, 1988). Baltimore, MD: Johns Hopkins Univ. Press, 1989, pp. 191–224.

[Lor]

Oliver Lorscheid. Blueprints and tropical scheme theory. Lecture notes of a course at IMPA, March-June 2018. url: https://oliver.impa.br/notes/2018-Blueprints/lecturenotes.pdf.

[LR]

Oliver Lorscheid and Samarpita Ray. The topological shadow of \(\F _1\)-geometry: congruence spaces. arXiv: 2305.12801.

[Ogu18]

Arthur Ogus. Lectures on logarithmic algebraic geometry. Vol. 178. Cambridge Studies in Advanced Mathematics. Cambridge University Press, Cambridge, 2018, pp. xviii+539. isbn: 978-1-107-18773-3. url: https://doi.org/10.1017/9781316941614.