現代の安定ホモトピー論において, 複素コボルディズム \(\mathrm{MU}\) は中心的役割を果している。 もちろん複素コボルディズム以外にも,
様々な種類の多様体に対応したコボルディズム群があり, ホモロジーの重要な例となっている。
代数幾何学においても, algebraic cobordism という類似の概念が導入されている。
最近では, topological quantum field theory の定義域としても重要である。
コボルディズムに関する本としては, まず Stong の本 [Sto68] がある。安定ホモトピー論のためのコボルディズム論としては, 荒木の本
[荒木捷75] と Rudyak の [Rud98] がある。 コボルディズム論の初期の重要な論文 (の英訳) を集めた本 [NT07] を
Novikov らが編集しているが, これも眺めてみるとよいかもしれない。
これらは, ホモロジー論としてのコボルディズムに関する本であるが, topological quantum field theory に登場する
cobordism category を主眼に置いた解説としては, Freed の lecture note がある。最後は cobordism
hypothesis で終っている。
References
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[NT07]
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S. P. Novikov and I. A. Taimanov, eds. Topological library. Part
1: cobordisms and their applications. Vol. 39. Series on Knots and
Everything. Translation by V.
O. Manturov. World Scientific Publishing Co. Pte. Ltd., Hackensack,
NJ, 2007, pp. xiv+369. isbn: 978-981-270-559-4; 981-270-559-7. url:
http://dx.doi.org/10.1142/9789812772107.
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[Rud98]
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Yuli B. Rudyak. On Thom spectra, orientability, and cobordism.
Springer Monographs in Mathematics. With a foreword by
Haynes Miller. Berlin: Springer-Verlag, 1998, pp. xii+587. isbn:
3-540-62043-5.
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[Sto68]
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Robert E. Stong. Notes on cobordism theory. Mathematical notes.
Princeton, N.J.: Princeton University Press, 1968, pp. v+354+lvi.
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[荒木捷75]
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荒木捷朗. 一般コホモロジー. Vol. 4. 紀伊國屋数学叢書. 東京: 紀伊國屋書店, 1975.
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