Fibration という言葉は様々な分野で用いられるが, ここでいう fibration は, Serre fibration や Hurewicz
fibration のことである。
Quillen によるモデル圏の概念の導入により, fibration の概念は, cofibration や weak (homotopy)
equivalence と共に, モデル圏を構成する一つのデータとみなすことができるようになった。
Quillen のモデル構造では, fibration は Serre fibration, cofibration は relative CW複体の
inclusion (の retract), weak equivalence は, 弱ホモトピー同値だった。Strøm のモデル構造では,
fibration は Hurewicz fibration, cofibration は NDR pair の inclusion, weak
equivalence はホモトピー同値である。 モデル圏では, cofibration と weak equivalence により fibration
を特徴付けることができるので, Serre fibration や Hurewicz fibration も, 対応する cofibration と weak
equivalence を用いて, 特徴付けられるはずである。
- Hurewicz fibration は DR pair に対し right lifting property を持つ。
- NDR pair は Hurewicz fibration かつホモトピー同値である写像に対し, left lifting property
を持つ。
- Serre fibration は, 包含写像がホモトピー同値であるCW複体対に対し, right lifting property を持つ。
- CW複体対は, Serre fibration かつホモトピー同値である写像に対し, left lifting property を持つ。
特に, Hurewicz fibration が closed cofibration に対し covering homotopy extension
property を持つという事実は, この4つの内の最初の性質の特別な場合である。
モデル圏の普及により, fibration は, 位相空間の圏以外の圏でも考えられるようになった。 典型的な例を知っているとよい。
References
-
[Qui67]
-
Daniel G. Quillen. Homotopical algebra.
Lecture Notes in Mathematics, No. 43. Berlin: Springer-Verlag, 1967,
iv 156 pp. (not consecutively paged).
-
[Str72]
-
Arne Strøm. “The homotopy category is a
homotopy category”. In: Arch. Math. (Basel) 23 (1972), pp. 435–441.
url: https://doi.org/10.1007/BF01304912.
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