コンパクト Hausdorff 空間 \(X\) のtopological \(K\)-theory \(K(X)=K_0(X)\) は, Bott periodicity により次数付きAbel群となる。
そして, 一般コホモロジー論に拡張できる。
\(K(X)\) が, 連続関数の成す環 \(C(X)\) 上の finitely generate projective module が直和に関して成す
monoid から group completion によって作られることから, より一般の環 \(R\) に対し次数付きAbel群 \(K_n(R)\) で \[ K_0(C(X)) = K(X) \]
となるものを作ろうというのは自然なアイデアである。というより, 元々 \(K_0\) (Grothendieck group) は, 代数幾何学の文脈で
Grothendieck が導入したものだった。アフィン scheme と可換環の対応を考えると, 一般の環の \(K\)-theory を考えるのは自然である。
しかしながら この MathOverflow の質問への Goodwillie と Porter による回答にあるように, 歴史的には \(K_1\)
の方が古くから考えられていた。J.H.C. Whitehead の [Whi49a; Whi49b] である。これは surgery theory
と関係が深い。
このように, 小さな \(n\) に対しては, ad hoc な方法により60年代までに構成されている。 この時代までのことについては, Bass の本
[Bas68] にまとめられている。その後, 全ての \(n\) に対し通用する定義を発見したのは, Quillen [Qui73] である。 最近では,
Waldhausen の方法や, その一般化を用いるのが主流である。
重要なのは, もちろん環の algebraic \(K\)-theory である。また, symmetric monoidal category になっている
spectrum の圏が構成されて以降, ring spectrum の algebraic \(K\)-theory も自由に扱えるようになった。
Algebraic \(K\)-theory については, いくつか本も出版されている。 Srinivas の [Sri96] など。Weibel も [Wei13]
を出している。 ここから chapter ごとに download できる。 Errata もある。 Dundas と Goodwillie と
McCarthy の本 [DGM13] の Introduction では, Whitehead torsion, \(K_1\), Grothendieckの \(K_0\),
Milnor の \(K_2\) という順番で動機が説明してある。
Algebraic \(K\)-theory がどのような情報を取り出すのか, というのは興味深い問題である。例えば, Dugger と Shipley は,
derived category が triangulated category として同値になる環については, algebraic \(K\)-theory
が同型になることを [DS04] で示している。一方, Schlichting [Sch02] は, derived category が同値であるが,
Waldhausen \(K\)-theory が異なる2つの model category を構成している。
この Dundas, Goodwillie, McCarthy の本のように, algebraic \(K\)-theory の構成としては, 現在では,
Waldhausen による構成が主流である。
Raptis と Steimle [RS19] には, higher algebraic \(K\)-theory の構成として, Quillen の
\(Q\)-construction や Waldhausen の \(S\)-construction の他にも, Thomason の \(\mathcal {T}\)-construction,
Gillet-Grayson の \(G\)-construction, Quillen の \(S^{-1}S\)-construction が挙げられている。 Raptis と Steimle
自身も新しい構成を提案している。
位相空間の \(K\)-theory で成り立つことが, algebraic \(K\)-theory でどの程度成り立つかというのは, 誰でも思うことだろう。例えば,
Adams operation は構成できる。
他にも motivic homotopy theory の文脈では, 様々な類似が得られている。
その後, algebraic \(K\)-theory は様々な方向に拡張されている。 定理も様々な version がある。歴史的なことも含めて, 詳しくは
Barwick の [Bar15] の Introduction を見るとよい。
References
-
[Bar15]
-
Clark Barwick. “On exact \(\infty \)-categories and the theorem of the heart”.
In: Compos. Math. 151.11 (2015), pp. 2160–2186. arXiv: 1212.5232.
url: https://doi.org/10.1112/S0010437X15007447.
-
[Bas68]
-
Hyman Bass. Algebraic \(K\)-theory. W. A. Benjamin, Inc., New
York-Amsterdam, 1968, pp. xx+762.
-
[DGM13]
-
Bjørn Ian Dundas, Thomas G. Goodwillie, and Randy McCarthy.
The local structure of algebraic K-theory. Vol. 18. Algebra
and Applications. Springer-Verlag London, Ltd., London, 2013,
pp. xvi+435. isbn: 978-1-4471-4392-5; 978-1-4471-4393-2.
-
[DS04]
-
Daniel
Dugger and Brooke Shipley. “\(K\)-theory and derived equivalences”. In:
Duke Math. J. 124.3 (2004), pp. 587–617. arXiv: math/0209084.
url: http://dx.doi.org/10.1215/S0012-7094-04-12435-2.
-
[Qui73]
-
Daniel Quillen. “Higher algebraic \(K\)-theory. I”. In: Algebraic \(K\)-theory,
I: Higher \(K\)-theories (Proc. Conf., Battelle Memorial Inst., Seattle,
Wash., 1972). Lecture Notes in Math., Vol. 341. Springer, Berlin,
1973, pp. 85–147.
-
[RS19]
-
George Raptis and Wolfgang
Steimle. “A cobordism model for Waldhausen \(K\)-theory”. In: J. Lond.
Math. Soc. (2) 99.2 (2019), pp. 516–534. arXiv: 1711.08779. url:
https://doi.org/10.1112/jlms.12182.
-
[Sch02]
-
Marco Schlichting. “A note on \(K\)-theory and triangulated categories”.
In: Invent. Math. 150.1 (2002), pp. 111–116. url:
http://dx.doi.org/10.1007/s00222-002-0231-1.
-
[Sri96]
-
V. Srinivas. Algebraic \(K\)-theory.
Second. Vol. 90. Progress in Mathematics. Birkhäuser Boston,
Inc., Boston, MA, 1996, pp. xviii+341. isbn: 0-8176-3702-8. url:
http://dx.doi.org/10.1007/978-0-8176-4739-1.
-
[Wei13]
-
Charles A. Weibel. The \(K\)-book. Vol. 145. Graduate Studies in
Mathematics. An introduction to algebraic \(K\)-theory. Providence,
RI: American Mathematical Society, 2013, pp. xii+618. isbn:
978-0-8218-9132-2.
-
[Whi49a]
-
J. H. C. Whitehead. “Combinatorial homotopy. I”. In: Bull. Amer.
Math. Soc. 55 (1949), pp. 213–245. url:
https://doi.org/10.1090/S0002-9904-1949-09175-9.
-
[Whi49b]
-
J. H. C. Whitehead. “Combinatorial
homotopy. II”. In: Bull. Amer. Math. Soc. 55 (1949), pp. 453–496.
url: https://doi.org/10.1090/S0002-9904-1949-09213-3.
|