多様体とホモトピー論との関係としては, まずコボルディズムを挙げるべきだろう。。
各種一般ホモロジーの構成で, 基本的な役割を果たす。
多様体のホモトピー論的な性質を調べたり, また幾何学的な問題をホモトピー論の問題に翻訳して考えることもよく行なわれてきた。 例えば
Morse 理論などである。
可微分多様体の間の可微分写像の特異点については, Boardman の [Boa67] がある。 特異点に関して, 定義域の多様体に
stratification が定義されるが, Sadykov の [Sad03] によると, この Boardman の論文でどんな写像も各 stratum
が多様体であるような写像で近似できるということが証明されている, らしい。 Orbifold の間の写像に対しても同様のことは成り立つのだろうか。
この Sadykov の論文は Morin singularity という種類の特異点を持つ写像のホモトピー類に関するものである。Chess
の予想という予想が証明されている。 Morin map の存在は, Hopf invariant one の問題と関係あるよう (Saeki-Sakuma の
[SS98]) で興味深い。
具体的な多様体の問題で, 古くからホモトピー論の方法で調べられてきたものに次のものがある。
ベクトル場の問題は, Stiefel 多様体のホモトピー論的性質に関係が深い。 それについては, James の本 [Jam76]
がある。
John Klein と Williams は, [KW07; KW10] で intersection theory
をホモトピー論を用いて構築するという試みを行なっている。
References
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[Boa67]
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J. M. Boardman. “Singularities of differentiable maps”. In: Inst.
Hautes Études Sci. Publ. Math. 33 (1967), pp. 21–57.
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[Jam76]
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I. M. James. The topology of Stiefel manifolds. London Mathematical
Society Lecture Note Series, No. 24. Cambridge: Cambridge
University Press, 1976, pp. viii+168.
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[KW07]
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John R.
Klein and E. Bruce Williams. “Homotopical intersection theory. I”.
In: Geom. Topol. 11 (2007), pp. 939–977. arXiv: math/0512479. url:
http://dx.doi.org/10.2140/gt.2007.11.939.
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[KW10]
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John R. Klein and Bruce Williams. “Homotopical intersection theory.
II. Equivariance”. In: Math. Z. 264.4 (2010), pp. 849–880. arXiv:
0803.0017. url: http://dx.doi.org/10.1007/s00209-009-0491-1.
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[Sad03]
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Rustam Sadykov. “The Chess conjecture”. In: Algebr. Geom.
Topol. 3 (2003), 777–789 (electronic). arXiv: math/0301371. url:
http://dx.doi.org/10.2140/agt.2003.3.777.
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[SS98]
-
Osamu Saeki and Kazuhiro Sakuma. “Maps with only Morin
singularities and the Hopf invariant one problem”. In: Math.
Proc. Cambridge Philos. Soc. 124.3 (1998), pp. 501–511. url:
http://dx.doi.org/10.1017/S0305004197002478.
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