Euclid空間の中の格子があると, その変換群が考えられる。原点を止めて格子を格子に移す等長変換の成す群である。
原点から最も近い点の集合の変換群, つまりそれらの点を頂点とする多面体の変換群となる。
頂点が格子点である凸多面体を lattice polytope という。
より一般には, 自由Abel群に内積が定義されているものを lattice と呼ぶ。
格子は, sphere packing の問題を考えるときには, 当然その中心となるものであるが, sphere packing
で重要な格子の変換群には, 重要な有限群が現われる。 例えば, Leech lattice という\(24\)次元の lattice の変換群は, Conway
が発見した \(\cdot 0\) という群であるが, そこから, \(\cdot 1\) と \(\cdot 2\) と \(\cdot 3\) という sporadic group を作ることができる。
T.M. Thompson の [Tho83] には, Conway がどのように \(\cdot 0\) を発見したかが詳しく書いてあり, 興味深い。Conway
は, 土曜日の\(12\)時から\(0\)時までと, 水曜日の\(18\)時から\(0\)時まで, Leech lattice の変換群が分かるまで何ヶ月も続けようと考えていたようである。
Conway と Smith の本 [CS03] には, 四元数と八元数の格子に関することが書いてあるが,
まずはこの本でこれらの低い次元の場合に慣れ親しんでおくのがよいかもしれない。
References
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[CS03]
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John H. Conway and Derek A. Smith. On quaternions and octonions:
their geometry, arithmetic, and symmetry. Natick, MA: A K Peters
Ltd., 2003, pp. xii+159. isbn: 1-56881-134-9.
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[Tho83]
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Thomas M. Thompson. From error-correcting codes through sphere
packings to simple groups. Vol. 21. Carus Mathematical Monographs.
Washington, DC: Mathematical Association of America, 1983,
pp. xiv+228. isbn: 0-88385-023-0.
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