グラフから \(C^*\)-algebra を構成することは, 誰が最初に考えたのだろうか。Kumjian と Pask と Raeburn と Renault
の [Kum+97] では, グラフから groupoid を作り, その \(C^*\)-algebra として構成されている。
Cuntz と Krieger は, [CK80] で \(0\) と \(1\) に値を持つ正方行列を用いて定義された関係式をみたす Hilbert空間の partial
isometry を考えている。 そのような partial isometry で生成された \(C^*\)-algebra を Cuntz-Krieger algebra
と呼ぶらしい。
\(0\) と \(1\) に値を持つ行列の代表はグラフから定義されるものだから, Cuntz と Krieger の \(C^*\)-algebra が, グラフの
\(C^*\)-algebra の最初例ということになるのだろうか。Cornelissen と Lorscheid と Marcolli の [CLM] によると,
その行列を定義するときの作用素は, グラフの zeta関数の定義と関係しているらしい。この Cornelissen らの論文では,
このようにしてグラフからできる Cuntz-Krieger algebra の \(K\)-theory が決定されている。 Cuntz-Kreiger algebra
の \(K\)-theory については, Iyudu [Iyu] も調べている。
また Ivanov の [Iva] によると, right-angled Artin group の Toeplitz \(C^*\)-algebra
というものもある。他にも Farah [Far10] の考えている構成など, グラフから \(C^*\)-algebra を構成する方法は色々あるようである。
グラフの \(C^*\)-algebra については, 他に Pask らによって色々調べられている。 [PR06] では, グラフの
\(C^*\)-algebra に対し spectral triple が定義されている。 Spectral triple は, 非可換幾何学で Riemann
計量を持つ \(\mathrm{Spin}_c\) 多様体に対応するものだから, これで「グラフの非可換幾何学」 を考えることができる。彼らは「グラフの \(C^*\)-algebra
の非可換幾何学」と言っているが。
Pask らは, グラフの一般化である \(k\)-graph というものを考え, それについても同様のことができる [PRS08;
PRS09] と言っている。 正確には, グラフではなく small category, それも rank の付いた small category
の一般化であるが。
グラフの \(C^*\)-algebra の一般化として, topological graph に対して \(C^*\)-algebra を構成し, その性質を調べているのは,
Katsura の [Kat04; Kat06a; Kat06b] である。 Topological graph という概念もそこで定義されたもののようである。
References
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[CK80]
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[CLM]
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1007.3952.
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Takeshi
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[PRS08]
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David Pask, Adam Rennie, and Aidan Sims. “The noncommutative
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[PRS09]
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David Pask, Adam Rennie, and Aidan Sims. “Noncommutative
manifolds from graph and \(k\)-graph \(C^*\)-algebras”. In: Comm. Math.
Phys. 292.3 (2009), pp. 607–636. arXiv: math/0701527. url:
http://dx.doi.org/10.1007/s00220-009-0926-x.
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