圏に構造を付加したものの中でよく使うのは, monoidal category やそれにより enrich された category
だろう。
表現論などで使われる monoidal category には, object の dual が定義されるものが多い。
一方, morphism の dual, つまり morphism の向きを逆にする操作を持つものとして, dagger category
という構造がある。
概要を掴むのには, Karvonen の thesis [Kar] の Introduction を読むのが良い。それによると, categorical
quantum mechanics や quantum computing などで登場したが, 他にも ホモロジー代数 や operator
algebra など, 様々な分野で様々な名前で登場している。
Karvonen によると, dagger category という言葉は, Selinger の [Sel07] で登場したのが最初のようである。
Heunen と Karvonen [HK16] により, dagger category 上の monad が調べられている。
Bicategory版は Poklewski-Koziell の [Pok21] などで調べられている。
Involution を持つものとしては, supercategory という構造もある。
群や位相空間などは, 集合の category への forgetful functor を持つが, より一般に “forgetful functor” を持つ
category として concrete category の概念がある。
有限 poset の rank function の類似を持つものは, 様々な分野に登場する。
圏に高次の射を付加したものも, 最近では popular である。
References
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[HK16]
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Chris Heunen and Martti Karvonen. “Monads on dagger categories”.
In: Theory Appl. Categ. 31 (2016), Paper No. 35, 1016–1043. arXiv:
1602.04324.
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[Kar]
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Martti Karvonen. The Way of the Dagger. arXiv: 1904.10805.
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[Pok21]
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Rowan Poklewski-Koziell. “A note on Frobenius-Eilenberg-Moore
objects in dagger 2-categories”. In: Theory Appl. Categ. 37
(2021), Paper No. 31, 996–1016. arXiv: 2101.05210. url:
https://doi.org/10.1007/s10409-021-01076-0.
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[Sel07]
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Peter Selinger. “Dagger compact closed categories and completely
positive maps”. In: Electronic Notes in Theoretical computer science
170 (2007), pp. 139–163.
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