Lie群は, 代数的トポロジーにとっても重要な空間であるが, Lie群の理論を学ぶ前に, 行列群に慣れ親しんでおいた方がよいだろう。
教科書としては, 最初は横田の [横田一71] を読むのがいいのではないかと思う。
- \(\GL _n(k)\)
- \(\SL _n(k)\)
- \(O(n)\), \(U(n)\), \(\mathrm{Sp}(n)\)
- \(\mathrm{SO}(n)\), \(\mathrm{SU}(n)\)
これらの具体的な群について, 極大トーラスや Weyl群, そして root系などを求めてみるといいだろう。 初学者には佐藤の
[佐藤肇00] が参考になる, と思う。Lie環についての本であるが。 Lie環に直さず, Lie群のままで考えてあるのは, 戸田・三村の
[MT91]である。これは元々日本語で出版されたもの [戸三78; 戸三79] の英訳である。
古典群あるいは \(\SO (n)\) の universal cover という意味で, spinor群についても知っておくべきである。
ホモトピー論の視点からは, universal cover は基本群を消した空間なので, より高次のホモトピー群を消したものを考えるのも,
不自然ではない。実際そのような「群」は string group と呼ばれ string theory などで現れるようである。
References
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[MT91]
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Mamoru Mimura and Hirosi Toda. Topology of Lie groups. I, II.
Vol. 91. Translations of Mathematical Monographs. Translated from
the 1978 Japanese edition by the authors. Providence, RI: American
Mathematical Society, 1991, pp. iv+451. isbn: 0-8218-4541-1.
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[佐藤肇00]
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佐藤肇. リー代数入門 — 線型代数の続編として. 東京: 裳華房, 2000.
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[戸三78]
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戸田宏 and 三村護. リー群の位相(上). Vol. 14-A. 紀伊國屋数学叢書. 東京: 紀伊國屋書店, 1978.
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[戸三79]
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戸田宏 and 三村護. リー群の位相(下). Vol. 14-B. 紀伊國屋数学叢書. 東京: 紀伊國屋書店, 1979.
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[横田一71]
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横田一郎. 群と位相. 東京: 裳華房, 1971.
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