Homology や cohomology は, 元々は幾何学的な構造を元に定義されていたが, 代数的トポロジーでは,
1960年代あたりから, 公理的に扱われるようになった。 そして, 新しい (co)homology やそれを表現する spectrum の構成も,
形式的な操作で行なわれるようになった。例えば, Landweber の exact functor theorem や, 最近では,
Goerss-Hopkins-Miller theorem による tmf の構成など。
しかしながら, 実際の問題に使うときには, その元の幾何学的意味が分かっていた方がよい。 そのためには, (co)homology
の幾何学的構成が欲しい。
特に, tmf や elliptic cohomology については, その発見以来, 最大の課題は幾何学的な構成を見付けることである。残念ながら,
まだ決定版と言えるものは発見されていないが, 一つの有力な候補として Stolz と Teichner の提唱している supersymmetric
topological quantum field theory を用いたものがある。
Elliptic cohomology と良く比較されるのが, de Rham cohomology と \(K\)-theory の場合であるが,
それは安定ホモトピー論における \(v_n\) 周期性 の視点からは, elliptic cohomology が rational cohomology, \(K\)-theory
と並ぶ cohomology theory の列の次にあるからである。
当然, もし ellpitic cohomology を構成する方法があれば, それと類似の (より単純な) 方法で, de Rham
cohomology や \(K\)-theory が構成できるはずであるが, de Rham cohomology については, Hohnhold と
Kreck と Stolz と Teichner が [Hoh+11] で構成している。
Schommer-Pries と Stapleton [SS21] は, より精密に rational homotopy theory の Sullivan
model が \(0|1\)-supersymmetric TQFT として解釈できると言っている。
\(K\)-theory の場合は, Hohnhold と Stolz と Teichner の [HST10] で証明されている。
Berwick-Evans [Ber16] は, \(L\)-theory (に \(\otimes \bbC \) したもの) が \(1|2\)-supersymmetric Euclidean field
theory により構成できることを示している。
Berwick-Evans は, Pavlov と共に [BP23] で, 1次元 smooth topological field theory と
vector bundle の関係を証明している。
References
-
[Ber16]
-
Daniel Berwick-Evans. “Perturbative \(N=2\) supersymmetric quantum
mechanics and L-theory with complex coefficients”. In: Lett.
Math. Phys. 106.1 (2016), pp. 109–129. arXiv: 1501.03201. url:
https://doi.org/10.1007/s11005-015-0808-4.
-
[BP23]
-
Daniel Berwick-Evans and Dmitri Pavlov. “Smooth one-dimensional
topological field theories are vector bundles with connection”. In:
Algebr. Geom. Topol. 23.8 (2023), pp. 3707–3743. arXiv: 1501.
00967. url: https://doi.org/10.2140/agt.2023.23.3707.
-
[Hoh+11]
-
Henning Hohnhold, Matthias Kreck, Stephan Stolz, and Peter
Teichner. “Differential forms and 0-dimensional supersymmetric
field theories”. In: Quantum Topol. 2.1 (2011), pp. 1–41. url:
http://dx.doi.org/10.4171/QT/12.
-
[HST10]
-
Henning Hohnhold, Stephan Stolz, and Peter Teichner. “From
minimal geodesics to supersymmetric field theories”. In: A
celebration of the mathematical legacy of Raoul Bott. Vol. 50. CRM
Proc. Lecture Notes. Providence, RI: Amer. Math. Soc., 2010,
pp. 207–274.
-
[SS21]
-
Christopher Schommer-Pries and Nathaniel Stapleton. “Singular
cohomology from supersymmetric field theories”. In: Adv. Math.
390 (2021), Paper No. 107944, 52. arXiv: 1403 . 1303. url:
https://doi.org/10.1016/j.aim.2021.107944.
|