Topological Poset

Topological poset という名前は, Živaljević の [Živ98] に登場する。 Topological poset とは, 単に集合 \(X\) 上に位相と partial order が定義されているだけのものである。 Živaljević は, Hausdorff 空間であることと \[ X_{1}=\set {(x,y)\in X^{2}}{x\le y} \] が閉集合であることを要求しているが, これらの条件が無くても topological poset は \(X\) を object の空間とする topological category とみなすことができる。上の \(X_{1}\) が morphism の成す空間であり, 合成可能な morphism の組の集合 \(N_{2}(X)\) は \[ N_{2}(X) \cong \set {(x,y,z)\in X^{3}}{x\le y\le z} \] であり, 合成は\(2\)番目の成分を抜く projection \(X^{3}\to X^{2}\) から誘導されるから, いつでも連続である。Identity morphism を対応させる写像 \(X\to X_{1}\) は対角写像だから, これも連続である。

Topological category になるので, その 分類空間が定義されるが, Živaljević はそれを order complex と呼んでいる。

  • order complex of topological poset

Živaljević は, 組み合せ論の拡張として topological poset を調べているが, topological poset と同様のものは, directed algebraic topology でも pospace という名前で独立に導入され, 調べられている。 ただその方面では, partial order ではなく preorder である場合も多い。 また local pospace という一般化も考えられている。

文献としては, Fajstrup と Goubault と Raussen の [FRG06] の挙げるべきだろう。 出版年は2006年となっているが, その内容は1998年ごろにはできていたようであり, Živaljević とほぼ同時期に考えられていたようである。

Živaljević の論文 [Živ98] には, その動機を説明するために, いくつかの例が挙げられている。

  • Grassmannian poset
  • subspace poset
  • configuration poset
  • poset から位相空間の圏への functor の Grothendieck construction
  • semialgebraic poset

Grassmannian poset については, Živaljević の論文では, Vassiliev の [Vas91] が挙げられている。

Subspace poset と configuration poset は, ある空間の部分集合の成す空間に包含関係で partial order を定義したものであり, Živaljević は, 全ての閉部分集合の場合を subspace poset と呼び, 有限部分集合の場合を, configuration poset と呼んでいる。 よって, 後者は exponential space を topological poset とみなしたものになる。

Semialgebraic poset は, semialgebraic set \(X\) 上の poset の構造が定義され, topological category とみなしたときの morphism の空間 \(X_{1}=\set {(x,y)\in X^{2}}{x\le y}\) が semialgebraic set になるものである。 Hasebe と Miyatani と Yoshinaga の [HMY17] でも同様のものが同じ名前で定義されているが, Živaljević の論文は参照されていない。独立に定義されたものだろうか。

Žvaljević は, 更に [Živ] で, 凸多面体など, 他の 組み合せ論的構造の continuous 版を考えている。

Topological poset の登場する場面としては, Živaljević の論文にあるような 組み合せ論の延長にあるもの以外にも, orthogonal calculus のような, トポロジーへの応用を目指したものとして, Arone の [Aro02] や Bergner らの [Ber+15; Ber+19] などがある。

References

[Aro02]

Greg Arone. “The Weiss derivatives of \(B\mathrm {O}(-)\) and \(B\mathrm {U}(-)\)”. In: Topology 41.3 (2002), pp. 451–481. url: http://dx.doi.org/10.1016/S0040-9383(01)00008-8.

[Ber+15]

Julia E. Bergner, Ruth Joachimi, Kathryn Lesh, Vesna Stojanoska, and Kirsten Wickelgren. “Fixed points of \(p\)-toral groups acting on partition complexes”. In: Women in topology: collaborations in homotopy theory. Vol. 641. Contemp. Math. Amer. Math. Soc., Providence, RI, 2015, pp. 83–96. arXiv: 1401.0491. url: https://doi.org/10.1090/conm/641/12860.

[Ber+19]

Julia E. Bergner, Ruth Joachimi, Kathryn Lesh, Vesna Stojanoska, and Kirsten Wickelgren. “Classification of problematic subgroups of \(U(n)\)”. In: Trans. Amer. Math. Soc. 371.10 (2019), pp. 6739–6777. arXiv: 1407.0062. url: https://doi.org/10.1090/tran/7442.

[FRG06]

Lisbeth Fajstrup, Martin Raußen, and Eric Goubault. “Algebraic topology and concurrency”. In: Theoret. Comput. Sci. 357.1-3 (2006), pp. 241–278. url: http://dx.doi.org/10.1016/j.tcs.2006.03.022.

[HMY17]

Takahiro Hasebe, Toshinori Miyatani, and Masahiko Yoshinaga. “Euler characteristic reciprocity for chromatic, flow and order polynomials”. In: J. Singul. 16 (2017), pp. 212–227. arXiv: 1601.00254. url: https://doi.org/10.5427/jsing.2017.16k.

[Vas91]

V. A. Vasil\('\)ev. “Geometric realization of the homology of classical Lie groups, and complexes that are \(S\)-dual to flag manifolds”. In: Algebra i Analiz 3.4 (1991), pp. 113–120.

[Živ]

Rade T. Živaljević. A glimpse into continuous combinatorics of posets, polytopes, and matroids. arXiv: 1603.08175.

[Živ98]

Rade T. Živaljević. “Combinatorics of topological posets: homotopy complementation formulas”. In: Adv. in Appl. Math. 21.4 (1998), pp. 547–574. arXiv: math/9801147. url: http://dx.doi.org/10.1006/aama.1998.0604.