Principal Fibration

実際に fibration を使う際には, なるべく fiber bundle に近い扱いができると便利である。例えば, principal bundle分類定理の類似が成り立つとうれしい。

構造群の代わりになるのは, 位相群の条件を up to homotopy で弱めたもの, つまり Hopf space である。 そのようなものの作用を考えるときに, もちろん, 問題は結合律である。 簡単なのは, strict に associative な場合である。

  • Topological monoid \(G\) と right \(G\)空間 \(E\) と自明な right \(G\)空間 \(X\) に対し, ファイブレーション \[ p : E \longrightarrow X \] が principal \(G\)-fibration であることの定義
  • Topological monoid \(G\) に対し, その 分類空間の構成

Principal \(G\)-fibration およびその一般化である principal \(G\)-quasifibration については, 西田の本 [西田吾85] を見るとよいだろう。

より一般の Hopf space を「構造群」に持つ場合は, associativity がどれぐらい成り立つかを述べないといけないので, \(A_n\)構造を考えないといけない。 それについては, Nowlan の [Now72] がある。そこでは \(A_n\)-principal fibration の概念が定義されている。 これは河本さんに教えてもらった。

  • \(A_n\)-principal fibration

主束を始めとして, 構造群を持つファイバー束では, 座標変換が本質的な情報を持っているが, その fibration への一般化については, Wirth と Stasheff の [WS06] を見るとよい。 それによると, Wirth が 1965年の thesis で考えたのが最初のようである。

  • locally trivial fibration の座標変換

主束といえば分類定理であるが, その fibration に対する一般化も考えられている。最初は Stasheff の [Sta63] で, その後 Peter May が一般化を [May75] で考えている。最近では, Blomgren と Chachólski の model category を用いたアプローチ [BC], そしてその一般化である Ilias の [Amr] がある。 主束の場合に最も近いのは, Wirth と Stasheff の [WS06] であるが。

  • Principal \(G\)-fibration の分類定理

西田の本の元になっているのも May の memoir [May75] であると思われるが, May の memoir はかなり一般化して書いてあり, あまり読み易くはない。 西田の本を読んでからの方がよいだろう。

もっとも, May の memoir には, principal fibration 以外にも有用なことが書いてあり, 一読に値する。 例えば, 無限対称積に対する Dold-Thom の quasifibration の geometric bar construction による構成や geometric bar construction を用いた quasifibration に対する Serre spectral sequence の構成, そして group completion theorem の証明などである。

References

[Amr]

Ilias Amrani. Moduli space of fibrations in the category of simplicial presheaves. arXiv: 1211.4797.

[BC]

Martin Blomgren and Wojciech Chacholski. On the classification of fibrations. arXiv: 1206.4443.

[May75]

J. Peter May. “Classifying spaces and fibrations”. In: Mem. Amer. Math. Soc. 1.1, 155 (1975), pp. xiii+98. url: https://doi.org/10.1090/memo/0155.

[Now72]

Robert A. Nowlan. “\(A_{n}\)-actions on fibre spaces”. In: Indiana Univ. Math. J. 21 (1971/1972), pp. 285–313.

[Sta63]

James Stasheff. “A classification theorem for fibre spaces”. In: Topology 2 (1963), pp. 239–246. url: https://doi.org/10.1016/0040-9383(63)90006-5.

[WS06]

James Wirth and Jim Stasheff. “Homotopy transition cocycles”. In: J. Homotopy Relat. Struct. 1.1 (2006), pp. 273–283. arXiv: math/0609220.

[西田吾85]

西田吾郎. ホモトピー論. Vol. 16. 共立講座現代の数学. 東京: 共立出版, 1985.