Microbundles

Milnorは, [Mil64] で microbundle という概念を導入した。実際には、 1961年ぐらいの mimeographed note が最初らしいが。

[Mil64] の Introduction によると, 可微分とは限らない多様体でも tangent bundle の類似物を考えたい, という動機で考えられたものである。 多様体 \(M\) を diagonal として \(M\times M\) に埋め込んだときの tubular neighborhood を tangent bundle の代わりに使おうというのがアイデアである。文献としては, Milnor の論文の 他に Kuiper と Lashof の [KL66a; KL66b] がある。 Lurie の講義ノート [Lur] の Lecture 11にもまとめられている。

  • tangent microbundle

ベクトル束の一般化であり, zero section に対応するものが指定されている。その zero section の近傍のみ考えるので, microbundle の間の写像は, その zero section の近傍の間の写像として定義される。

Kister [Kis64] は, その近傍として Euclid 空間を fiber とする fiber bundle が取れることを示している。同様のことは, B. Mazur も示していたらしいが。

Topological manifold や PL manifold の tangent bundle に対応して topological microbundle や PL microbundle があるが, \(n\)次元 PL microbundle の structure group として, Milnor はある simplicial group \(\mathrm {PL}(n)\) を定義した。 更に, \(B\mathrm {PL}(n)\) へのホモトピー集合で, \(n\)次元 PL microbundle の同型類が分類できる。

Mnëv は, [Mnë]で PL microbundle が‘ ‘良い poset の tangent bundle” の order complex になっているときに, その分類写像を表わす poset の写像を求めている。

Milnor の元々の motivation は, 多様体の構造を調べることにあった。例えば, tangent microbundle の分類写像 \(M\to B\mathrm {Top}(n)\to B\mathrm {Top}\) が \(B\mathrm {PL}\) へliftできれば, その多様体は stable にPL構造を持つことになる。ここで, \(\mathrm {Top}(n)\) は \(\R ^{n}\) の自己同相写像の成す topological monoid である。 つまり十分大きな \(k\) をとり \(M\times \R ^k\) がPL構造を持つようにできるわけである。そこから \(M\) が \(PL\)構造を持つことを示すためには, “product structure theorem” が必要になる。これについては Quinn の [Qui10] に簡潔な証明がある。

このような多様体の構造に関する議論は, いまだに microbundle を使うしかないようで, Ayala と Francis の [AF15] でも使われている。 彼等は, 空間 \(B\) と写像 \(\varphi :B\to B\mathrm {Top}(n)\) が与えられたとき, 図式 \[ \xymatrix { & B \ar [d]^{\varphi } \\ M \ar [ur]^{f} \ar [r] & B\mathrm {Top}(n) } \] をホモトピー可換にする写像 \(f\) のことを \(M\) 上の \(B\)-framing と呼んでいる。

References

[AF15]

David Ayala and John Francis. “Factorization homology of topological manifolds”. In: J. Topol. 8.4 (2015), pp. 1045–1084. arXiv: 1206. 5522. url: http://dx.doi.org/10.1112/jtopol/jtv028.

[Kis64]

J. M. Kister. “Microbundles are fibre bundles”. In: Ann. of Math. (2) 80 (1964), pp. 190–199. url: https://doi.org/10.2307/1970498.

[KL66a]

N. H. Kuiper and R. K. Lashof. “Microbundles and bundles. I. Elementary theory”. In: Invent. Math. 1 (1966), pp. 1–17.

[KL66b]

N. H. Kuiper and R. K. Lashof. “Microbundles and bundles. II. Semisimplical theory”. In: Invent. Math. 1 (1966), pp. 243–259.

[Lur]

Jacob Lurie. Topics in Geometric Topology. Course website for 18.937 (offered Spring 2009 at MIT). url: https://www.math.ias.edu/~lurie/937.html.

[Mil64]

J. Milnor. “Microbundles. I”. In: Topology 3.suppl. 1 (1964), pp. 53–80. url: https://doi.org/10.1016/0040-9383(64)90005-9.

[Mnë]

Nikolai Mnëv. Tangent bundle and Gauss functor of a combinatorial manifold. arXiv: math/0609257.

[Qui10]

Frank Quinn. “A controlled-topology proof of the product structure theorem”. In: Geom. Dedicata 148 (2010), pp. 303–308. arXiv: math/ 0610131. url: http://dx.doi.org/10.1007/s10711-009-9406-x.