群の表現の基本

群 \(G\) の環 \(k\) 上の表現とは, \(k[G]\)-module のことである。 よって表現全体は Abelian category を成す。 また, group algebra \(k[G]\) は Hopf algebra なので, monoidal category にもなる。

表現全体から元の群を復元することが可能であることは, Tannaka-Krein duality で保証されている。

ただし表現の成す monoidal category から vector space の category への “fiber functor” が与えられたら, であるが。 これについては, Math Overflow のこの質問をみるとよい。

Balmer [Bal15] は, ある群の部分群達の表現の成す圏を stack とみなすことを提案している。

表現論については, もちろん専門の研究者が数多くいて, 様々なレベルの教科書も書かれている。 トポロジーに近い人が書いたものとしては, Benson の [Ben98] があるが, 初学者向けには書かれていない。 Sagan の本 [Sag01] の chapter 1 では, Ledermann の [Led77] が参照してある。

  • 表現が既約 (irreducible) であること。
  • 既約表現は group algebra \(k[G]\) の商表現である。
  • 表現が完全可約 (completely reducible) であること。
  • regular representation の定義

既約表現の間の関係で基本的なのは, Schur の補題と呼ばれるものである。

  • Schur の補題。つまり群 \(G\) の irreducible representation \(V, W\) に対し \(G\)-equivariant homomorphism \[ f : V \longrightarrow W \] は \(0\) か同型のいづれかである。

既約表現を丁度一回づつ含むような表現を Gel\('\)fand model という。

ある群の表現を全て集めてきて環にし, その構造を考えると見通しが良くなる。

  • 表現環 (representation ring)

Representation ring と topology の関係では, Atiyah-Segal の定理 [Ati61; AS69] を知っているべきだろう。

  • \(G\)が有限群のとき次の同型がある: \[ R(G)_{\hat{I}} \cong K(BG) \] ここで \(I\) は augmentation ideal で, \(BG\) は \(G\) の分類空間である。

この定理は様々な拡張が知られている。無限群への拡張については, Ramras の [Ram08] を見るとよい。Ramras は, 種数が正の Riemann 面が \(K(\pi ,1)\) であることに着目し, Riemann 面上の Yang-Mills functional の Morse theory を用いて, Riemann 面の基本群として表わされる群について, Atiyah-Segal の定理の類似を証明している。そこでは Carlsson の deformation \(K\)-theory が用いられている点でも興味深い。

References

[AS69]

M. F. Atiyah and G. B. Segal. “Equivariant \(K\)-theory and completion”. In: J. Differential Geometry 3 (1969), pp. 1–18. url: http://projecteuclid.org/euclid.jdg/1214428815.

[Ati61]

M. F. Atiyah. “Characters and cohomology of finite groups”. In: Inst. Hautes Études Sci. Publ. Math. 9 (1961), pp. 23–64. url: http://www.numdam.org/item?id=PMIHES_1961__9__23_0.

[Bal15]

Paul Balmer. “Stacks of group representations”. In: J. Eur. Math. Soc. (JEMS) 17.1 (2015), pp. 189–228. arXiv: 1302.6290. url: https://doi.org/10.4171/JEMS/501.

[Ben98]

D. J. Benson. Representations and cohomology. I. Second. Vol. 30. Cambridge Studies in Advanced Mathematics. Basic representation theory of finite groups and associative algebras. Cambridge: Cambridge University Press, 1998, pp. xii+246. isbn: 0-521-63653-1.

[Led77]

Walter Ledermann. Introduction to group characters. Cambridge University Press, Cambridge-New York-Melbourne, 1977, pp. viii+174. isbn: 0-521-21486-6.

[Ram08]

Daniel A. Ramras. “Yang-Mills theory over surfaces and the Atiyah-Segal theorem”. In: Algebr. Geom. Topol. 8.4 (2008), pp. 2209–2251. arXiv: 0710.0681. url: http://dx.doi.org/10.2140/agt.2008.8.2209.

[Sag01]

Bruce E. Sagan. The symmetric group. Second. Vol. 203. Graduate Texts in Mathematics. Representations, combinatorial algorithms, and symmetric functions. Springer-Verlag, New York, 2001, pp. xvi+238. isbn: 0-387-95067-2. url: http://dx.doi.org/10.1007/978-1-4757-6804-6.