Algebraic cycle は, 代数幾何学における伝統的な研究対象であるが, 複素数体や実数体上の代数多様体の場合, algebraic
cycle 全体の成す空間を作ることができるので, そのトポロジーを調べることができる。 例えば, Blaine Lawson [Law89] は,
algebraic cycle の無す空間のホモトピー群を, その代数多様体のホモロジーとみなすことを, 提案している。
ある意味で configuration spaceや symmetric product の高次元版のようなものであり, Dold-Thom
の定理とも関係が深い。
90年代以降, その研究を出発点として algebraic cycle やそれに類する代数幾何学的対象の成す空間のトポロジーの研究が発展している。
W. Hu は [Hu] で, 射影空間の Chow variety の ホモトピー群の stability について調べている。
Farb と Wolfson と Wood [FWW] は, 対称積を用いて, 代数多様体とは限らない多様体の \(0\)-cycle
の成す空間を定義している。そして, それを用いて homological density という不変量を定義している。
解析数論とのアナロジーで導入されたようで, 興味深い。
References
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[FWW]
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Benson Farb, Jesse Wolfson, and Melanie Matchett Wood.
Coincidences of homological densities, predicted by arithmetic. arXiv:
1611.04563.
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[Hu]
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Wenchuan Hu. Algebraic Cycles of a Fixed Degree. arXiv: 0810.2840.
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[Law89]
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H. Blaine Lawson Jr.
“Algebraic cycles and homotopy theory”. In: Ann. of Math. (2) 129.2
(1989), pp. 253–291. url: http://dx.doi.org/10.2307/1971448.
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