Small category を「積を持つ quiver」をみなすことは, 表現論などで一般的だと思うが, より正確には, vertex の集合を
fix した quiver の category での monoid object とみなすべきだろう。
私がこの見方を知ったのは Day と Street の [DS04] であったが, Schwede と Shipley の [SS03]
もこの視点で書かれていて, そこでは Mac Lane の [Mac98] が挙げられている。 Dehornoy らの Garside theory
に関する本 [Deh+15] もこの視点で書かれていて, monoid と small category が区別されずに扱われている。
- comma category \(\category {Set}\downarrow X\times X\) は fiber product により monoidal category になる。
- 集合 \(X\) を object の集合とする small category とは, \(\category {Set}\downarrow X\times X\) の monoid object のこと。
この Day と Street の視点からは, small category の4つの structure map の内, source map と
target map が本質的であることが分かる。実際, small category の定義から composition と identity
morphism を省いたものは、 有向 グラフ, つまり quiver と呼ばれ, 様々な分野で使われている基本的な概念である。
Small category からは composition と identity を忘れることにより, quiver ができるが, 逆に, “quiver
から生成された free small category” を考えることもできる。単に, source と target が等しい arrow
を並べてできたものを morphism と定義するだけであるが, 当然 small category の category から quiver の
category への forgetful functor の left adjoint である。
群の場合は, free group を関係式で生成された normal subgroup で割ることにより群の表示を得るが, free category
を用いると, 同様に small category の表示を考えることができる。 あまり書かれている文献を見ないが, Dehornoy らの
Garside theory に関する本 [Deh+15] には書かれている。
- presentation of small category
Schwede と Shipley [SS03] は enriched version を考えている。 つまり2つの object の間の
morphism 全体が, ある monoidal category \(\bm {V}\) の object になっている場合である。
2つの vertex の間の arrow 全体が \(\bm {V}\) の object になっている quiver の一般化を \(\bm {V}\)-quiver と呼ぶと, 頂点集合が \(X\) である
\(\bm {V}\)-quiver 全体は monoidal category となり, その monoid object が \(X\) を object の集合とする \(\bm {V}\) で enrich
された category である。
ただ, このように考えると object 全体と morphism 全体の入る category が異なるので気持ち悪い。 これについては,
Aguiar の thesis [Agu97] のように object 全体が \(\bm {V}\) の comonoid object \(X\) を成すとし, \(\bm {V}\)-quiver を
\(X\)-\(X\)-bicomodule とみなすのが良い, と思う。
References
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[Agu97]
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Marcelo Aguiar. Internal categories and quantum groups. Thesis
(Ph.D.)–Cornell University. ProQuest LLC, Ann Arbor, MI, 1997,
p. 295. isbn: 978-0591-54970-6.
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[Deh+15]
-
Patrick Dehornoy, François Digne, Eddy Godelle, Daan Krammer,
and Jean Michel. Foundations
of Garside theory. Vol. 22. EMS Tracts in Mathematics. Author
name on title page: Daan Kramer. European Mathematical Society
(EMS), Zürich, 2015, pp. xviii+691. isbn: 978-3-03719-139-2. url:
https://doi.org/10.4171/139.
-
[DS04]
-
Brian Day and Ross Street. “Quantum categories, star autonomy,
and quantum groupoids”. In: Galois theory, Hopf algebras, and
semiabelian categories. Vol. 43. Fields Inst. Commun. Providence,
RI: Amer. Math. Soc., 2004, pp. 187–225. arXiv: math/0301209.
-
[Mac98]
-
Saunders Mac Lane. Categories for the working mathematician.
Second. Vol. 5. Graduate Texts in Mathematics. New York:
Springer-Verlag, 1998, pp. xii+314. isbn: 0-387-98403-8.
-
[SS03]
-
Stefan Schwede and Brooke
Shipley. “Equivalences of monoidal model categories”. In: Algebr.
Geom. Topol. 3 (2003), 287–334 (electronic). arXiv: math/0209342.
url: http://dx.doi.org/10.2140/agt.2003.3.287.
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