私が組み合せ論的構造に興味を持ったのは, hyperplane arrangement の Salvetti complex の構成がきっかけだったが,
他にも, 組み合せ論的データから, 色んな simplicial complex が構成できるので, 代数的トポロジーの道具を使って調べることができる。
例えば, グラフからは, 様々な方法で simplicial complex が構成されている。
また, poset により表される構造も多いが, poset からは order complex として simplicial complex
が得られる。
このように, simplicial complex のような, 直接代数的トポロジーの道具を使えるもの以外にも, 様々な組み合せ論的構造がある。
古いものとしては, ループ空間の構造を表す associahedron や permutahedron などのような凸多面体がある。
その permutohedron と関係あるもので semigraphoid というものがある。 “Statistical learning
theory” に現れる組み合せ的構造らしいが, Hemmecke と Morton と Shiu と Sturmfels と Wienand の
[Hem+08] によると, braid arrangement や permutohedron とも関係あるようである。
それらの関係の元になっているのは [Mor+] で調べられた semigraphoid の geometric characterization
である。
古典的な幾何学との関連では, incidence geometry という構造がある。 Euclid流の幾何学は, 点や直線などを定義せず,
それらの間の関係だけを考えたものとみなすことができるが, それを抽象化したものである。
有限集合の部分集合族である性質を持つものを (combinatorial) design といい, これも組み合せ論の主要な研究対象である。
References
-
[Hem+08]
-
Raymond Hemmecke, Jason Morton, Anne Shiu, Bernd Sturmfels,
and Oliver Wienand. “Three counter-examples on semi-graphoids”.
In: Combin.
Probab. Comput. 17.2 (2008), pp. 239–257. arXiv: math/0610451.
url: https://doi.org/10.1017/S0963548307008838.
-
[Mor+]
-
Jason Morton, Lior Pachter, Anne Shiu, Bernd Sturmfels, and
Oliver Wienand. Geometry of rank tests. arXiv: math/0605173.
|