Corings

可換環 \(k\) 上の coalgebra は, \(k\)-module の成す symmetric monoidal category での comonoid object であるが, comonoid object の定義に symmetric であることは不要である。

例えば, 可換とは限らない環 \(A\) については, その上の bimodule の category は, \(\otimes _{A}\) を monoidal structure として monoidal category になるので, そこでの comonoid object を考えることができる。そのようなものを \(A\) 上の coring という。ただ, coring と coalgebra の関係は, ring と algebra の関係の逆になっているので, あまり良い名前とは思えないが。

当然, その上の comodule を定義することもできる。

  • comodule over coring

Coring については, Brzeziński と Wisbauer の本 [BW03] がある。 彼等の motivation は, algebra extension や noncommutative geometry などとの関係のようであるが, 同じ構造はもっと古くから考えられていたようである。 彼等の本によると, その起源は Jonah の [Jon68] であり, 定義は Sweedler により [Swe75] で与えられたのが最初らしい。 その後, Roiter [Roj80] により導入された BOCS (Bimodule Over a category with a Coalgebra Structure) は, 本質的には coring と同じものである。 ただ, \(A\)-coring の表現としては, \(A\)-bimodule の category での comodule を考えるのが自然であると思うが, Crawley-Boevey の [Cra88] にあるように, BOCS として考えるときは, その表現は異なるものを考えるようである。

  • BOCS
  • BOCS の表現の category

これは, 本質的には \(k\)-module で生成された “extended comodule” のみを考えていることに相当するようである。

この Roiter の論文 [Roj80] では, semifree dg algebra と grouplike element を持つ coring の間に一対一対応があることが示されている。 この Roiter の定理については, Brzeziński [Brz07] の section 3 を見るとよい。

References

[Brz07]

Tomasz Brzeziński. “Flat connections and (co)modules”. In: New techniques in Hopf algebras and graded ring theory. K. Vlaam. Acad. Belgie Wet. Kunsten (KVAB), Brussels, 2007, pp. 35–52. arXiv: math/0608170.

[BW03]

Tomasz Brzezinski and Robert Wisbauer. Corings and comodules. Vol. 309. London Mathematical Society Lecture Note Series. Cambridge: Cambridge University Press, 2003, pp. xii+476. isbn: 0-521-53931-5. url: http://dx.doi.org/10.1017/CBO9780511546495.

[Cra88]

W. W. Crawley-Boevey. “On tame algebras and bocses”. In: Proc. London Math. Soc. (3) 56.3 (1988), pp. 451–483. url: http://dx.doi.org/10.1112/plms/s3-56.3.451.

[Jon68]

David W. Jonah. Cohomology of coalgebras. Memoirs of the American Mathematical Society, No. 82. American Mathematical Society, Providence, R.I., 1968, p. 73.

[Roj80]

A. V. Rojter. “Matrix problems and representations of BOCSs”. In: Representation theory, I (Proc. Workshop, Carleton Univ., Ottawa, Ont., 1979). Vol. 831. Lecture Notes in Math. Berlin: Springer, 1980, pp. 288–324.

[Swe75]

Moss Sweedler. “The predual theorem to the Jacobson-Bourbaki theorem”. In: Trans. Amer. Math. Soc. 213 (1975), pp. 391–406. url: https://doi.org/10.2307/1998053.